HISTORY OF THE GALAXY

遠い昔、遥か彼方の銀河系で

ケラックス星系での任務

これはナブー危機よりそう遠い昔では無い頃に起こった出来事である。


  ことの発端は通商連合が秘密の採掘施設を建設しようとしたことにあった。そこに目をつけた海賊グループは静電フィールド・ジェネレーターにより可変翼自動推進式バトル・ドロイド・マークⅠ(通称''ヴァルチャー・ドロイド'')防衛隊を無力化、通商連合のルクレハルク級バトルシップの艦橋を占拠してしまう。

 しかもこの採掘施設は共和国の許可が降りておらず共和国に助けを求めることも通商連合には出来なかったのだ。

 だが海賊達には運の悪いことに、この採掘施設にはシスの暗黒卿''ダース・シディアス''も出資しており、通商連合の彼の協力者たちは暗黒卿に助けを求めたのである。

 ダース・シディアスと弟子のダース・モールはコルサントにて密会を果たす。(なおこの際、2人の男女のジェダイにダース・モールは自身の気配を察知されており、トゥオン・ケティでの一件も含めてモールは師であるダース・シディアスに叱責されている。)上記の経緯を説明されたあと、この問題の解決を弟子は師匠から命じられたのであった。


 ここで、ケラックス星系の戦況を書き記しておこう。

通商連合側は2隻のルクレハルク級バトルシップに多数の無力化されたヴァルチャー・ドロイド部隊、そして6人のニモーディアンである。

対する海賊側は静電フィールド・ジェネレーター、オーブ=ウィング隊と呼称された最低でも4機の宇宙戦闘機と4名のパイロット(うち1人はドラルとゆう名の人間、もう1人は獣型種族)、最低でも7人の海賊(全員がブラスターで武装、うち1人はアイソリアン)であった。


 ダース・モールは自身のスターシップのクローキング装置を使って奇襲攻撃を敢行。プロトン魚雷によってドラルを戦闘機ごと木っ端微塵すると、機雷によって他のオーブ=ウィング隊もすぐに殲滅してしまう。艦橋から見える宇宙の真空空間を漂う仲間の死体を見て海賊たちが不審がり始めた矢先に、艦橋のブラストドアがダース・モールのライトセーバーによって破られた。海賊たちはニモーディアンたちを肉の盾にして対抗するが、モールはお構い無しに攻撃を続け、ニモーディアンたちもろとも海賊を皆殺しにしてしまう。彼は自身の到着以前に既にニモーディアンたちが海賊によって殺害されていたことにすることにしたのだ。


 残った最後の海賊はダース・モールをジェダイと勘違いし自身の命を助ける代わりに有力な情報を与えることを申し出る。


「殺さないでくれ…取引しよう…あんたが絶対欲しがる情報を持ってるんだ!」

海賊の悲痛な叫びと恐怖に歪んだ顔

「話してみろ、場合によっては情けをかけてやらんでもない」

「ゼ、ゼヴ・エレクサス…エレクサス・カルテルジェダイのパダワンを捕まえ…オークションにかけ…で、そこにはー」

海賊の懇願する声とダース・モールの冷酷で短い返答と海賊が蹴られる音

「素晴らしい!実に…」

生き残ったニモーディアンの媚びるような声

「残念だ…私が…到着す…前…海賊が…乗組員を…ころ…しているなんて」

音声の乱れとニモーディアンの嗚咽

  -ルクレハルク級バトルシップから回収された艦橋内映像と音声-(損傷が激しく映像は視認不可、音声にも多大な乱れあり)


 こうして残されたのはあまたの鉄くずと幾多の死体のみである。


出典:スター・ウォーズ:ダース・モール